そのオーダー、ライターでは受けかねます
先日、ある企業関係者からスピーチ原稿を作成してほしいと相談があり、詳細を聞くことにしました。コロナ禍以降、初めて会場に人を入れてする集会で、スピーチの導入部で言及するコロナ禍に関する話を無難なものにしたい。多くの企業や企業団体が使っている“お決まりの”フレーズがあれば、それを盛り込んでスピーチの導入部を作ってほしいとのことでした。
これを聞いた瞬間、「正直ライターの仕事ではないなあ」と思い、「ライターに頼むより、MC(司会者)やMC事務所、あるいはスピーチ原稿を専門にしているライターに頼むのがいいと思います」と助言させていただきました。なぜなら「多くの企業や企業団体が使っているコロナ禍に触れる“お決まりの”スピーチの導入フレーズ」を知る(一般の)ライターはいない。それを経験的に知っているのはMC事務所かスピーチ専門ライターではないかと考えたからです。
より読者に伝えるが、ライターのなせる業
せっかくご相談をいただいたので、「スピーチしたいことをお聞かせいただければ、ライターがスピーチ原稿としてまとめることはできますが」と伝えると、「それはこちらでできます。私どもが知りたいのは、多くの企業さんがどんな(コロナ禍を絡めたスピーチの)入り方をしているのかです」とおっしゃいました。
もちろん無理すれば、情報収集してくだんの導入部のトレンドを探ることはできますが、それは弊社やライターの専門外で、容易に対応できるところ(職種)があれば、そちらへ相談するのが確実です。
ライターは文章作成のプロで、文章のことなら何とかしてくれるだろうと思われがちです。弊社にもいろんな相談が入り、中には受けかねるものもあります。「日本語が間違っていないか、こちらで書いた原稿をチェックしてほしい」というのもその一つです。ライターは、国語の教師ではありません。読者や消費者により良く伝えるのがライターで、正しい日本語という観点で記事作成はしません。
ライターの書いた記事は校正・校閲を第三者よってなされ、誤った日本語や情報があれば修正されるので、ライターに日本語チェックを依頼する発想は日本語チェックされるライター側の人間からすると変な感じがします。「この書き方で読者に伝わるか?」というチェックであればライターが適任です。また内容証明や示談書など、法的な文書の相談をされることがありますが、こちらは弁護士事務所へご相談ください。
過去には、スキャンダラスな事柄を弊社に伝えてこられ、「ライターさんに記事にして発表してほしい」や「自社の新サービスを記事にしてほしい」など、メディアへ発信すべき事柄をライターの手配をする弊社に相談をされることもありました。
これは余談ですが、(火をつける)ライターの問い合わせも2年に1度くらい受けます。
【関連ブログ】
ライターが書く文章は、国語ではなく美術だ
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☆↓ ライターを探している担当者さま
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