2024-03-07：北村守康の四方山ブログ

ライターは、“付け焼き刃”的な知識で問題ない

専門知識がないと取材・執筆できない案件もありますが、読者が専門家ではない一般の人々の場合、専門知識がなくてもライターとしての取材力と執筆力があれば対応できます。しかし読者が専門家の場合、専門知識がないライターでは深い取材ができず、結果読者にとって分かり切った内容で何の学びも得られない記事になってしまうことは容易に想像がつきます。

一般の人々が読者の場合、その分野や事柄を、一般の人々でも理解できるようかみ砕き伝え、興味を持って読んでもらえるよう工夫することが求められます。専門知識があるに越したことはありませんが、それがゆえに専門知識がない人々の感覚を見誤ったり、専門知識があるゆえに読者にとって言葉足らずな表現や内容になったりすることも無きにしも非ずです。

ライターに依頼しようとしている人の多くは、取材・執筆テーマの知識があることを必要条件にライターを選定しようとしますが、読者が一般の人々である場合はテーマの知識のある無しは関係ないと私は考えます。求められるべきは、執筆テーマの情報を効率よくインプットして自分の知識とし、読者に対して最適にアウトプットするというプロの書き手としての能力です。

ライターは書いて伝えるプロで特定分野の専門家ではない

特定の分野で活躍しているライターさんもいますが、専門の分野やテーマを持たず、さまざまな分野や事柄、ジャンルの枠を越えてライティングしているライターさんのほうが断然多いことでしょう。理系が得意、企業広報モノの仕事が多いなど仕事の傾向はあるものの、専門分野は特になく、知らない分野やテーマの依頼があれば都度勉強して取材・執筆に挑むスタンスこそが職業ライターではないでしょうか。

本来ライターとは、分野や媒体を問わず一般読者に分かりやすく興味深く文章で伝える職業です。ライターさんは専門分野やジャンルを持たないことに引け目を持つ必要はありませんし、依頼者の方々にはライターはそういうものだとご理解いただき、一般読者の取材・執筆に対してはその分野にどれほど精通しているか、その分野の取材・執筆実績が必要という考えを改めていただければ幸いです。

現場（取材）での質問力や振る舞い、取材対象者との関係構築そして執筆に関して、すべてのライターさんが大なり小なりプロ意識を持ち、自分なりの流儀を模索していると思います。しかし、いかに最適に・効率よく（インタビュー）取材前の準備（インプット）するチカラ（能力）を日ごろから意識して模索し、そのチカラを磨く努力をしている人はほとんどいないのではないでしょうか？

未知の分野に前向きな精神を育む

では具体的にどうすればいいか？　正直それをテクニックとして習得する方法は私には分かりません。ライターさんには未知の分野に対して前向きな人もいれば後ろ向きな人もいます。言わずもがな、前者は好奇心旺盛で、分野や事柄を問わず積極的に取り組もうとする人たちです。それに比例して取材力・執筆力が高いかと言えば、何の関係もありませんが、仕事を依頼する側にとってその姿勢は好ましいものです。

性格的なものと言えば、そうかも知れませんが、未知の分野に対して拒否反応を示すライターさんは、日ごろから意識して未知の分野のことを努めて知ろう、ライターという職業は未知の分野であっても効率よく情報をインプットして取材に挑み、読者にとって面白い記事を完成させるものだと自分に言い聞かせ、好むと好まざるとに関わらずいろんなことに目を向け、何でも学ぶ姿勢を日ごろから意識してください。少なからず、未知の分野への拒否反応は小さくなるはずです。

苦手意識があったり、意図的に避けていたりする分野や事柄まで無理して目を向ける必要はありませんし、自分の専門分野だけで活動し極めたいというライターさんはそのスタンスでいいと思います。特定分野のスペシャリストになるか、書き手としてのスペシャリストになるかは本人の自由です。

繰り返しになりますが、ライターという職業は、未知の分野でも“付け焼刃”的に学習して記事を書くものだと私は考えます。大切なのは、効率よくインプットし、読者に対して最適にアウトプットする能力で、どんなテーマでも対応できるよう未知の分野に前向きな精神を育むよう努めてください。

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