【6】現代短歌に学ぶ、素材の取捨選択と“感動のポイント”
開催データ
名称: | 第6回 関西ライター勉強会 |
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日時: | 2008年8月29日(金) 18:45~21:00 |
テーマ: | 「現代短歌に学ぶ、素材の取捨選択と“感動のポイント”」 |
講師: | 北夙川不可止(きたしゅくがわ・ふかし)氏 |
対象: | ライター |
場所: | メビック扇町 会議室4 大阪市北区南扇町6-28 水道局扇町庁舎2F |
勉強会概要
コラムニストの北夙川不可止氏は、前衛歌壇の結社「玲瓏(れいろう)」に所属する歌人でもあります。このたびは、同氏に現代短歌についての基礎講座と各参加者が事前に作ってきた短歌を添削してもらいました。
奈良時代に編纂された『万葉集』に収められている短歌は、和歌(長歌、旋頭歌を含む)の一種で、日本語による最古の定型詩です。平安時代以降、長歌と旋頭歌は廃れ、和歌といえば短歌を指すようになりました。和歌が貴族の素養になると、形式ばかりが重んじられ芸術性は薄れてゆきました。江戸時代中期以降、伊勢参りなどの旅行ブームが到来すると、多くの庶民が旅先での出来事をしたため、和歌も詠まれました。近代になると、正岡子規、与謝野晶子、石川啄木の歌人たちが、「心の発露」としての和歌を築き上げ、それまでの形式重視の和歌と区別して、自由な発想で自らの心情を託して詠む詩形のことを短歌と呼ぶようになりました。
参加者が作ってきた短歌は、形式に囚われない自由な発想のものが多く見られましたが、作者の意図と読者の解釈の相違、矛盾する内容、大げさな表現などが目立ち、北夙川氏から指摘を受けました。同氏に各作品を添削してもらいながら、「言い過ぎない」「余韻を残す」そして「贅肉を削ぎ落とし感動の中心だけを残す」という短歌の神髄を教わりました。
講師紹介
北夙川不可止氏(きたしゅくがわ・ふかし)氏
歌人・コラムニスト。1988年、同志社大学在学中に「朝日ジャーナル」通信員となり、89年からサンケイスポーツに一年半に渡り、フォトコラムを週一連載。1994年、短歌を始め、歌壇の名門結社、旧「アララギ」に入会。「アララギ」消滅後は「新アララギ」に所属するも、その後、前衛短歌の巨人塚本邦雄氏の結社「玲瓏」に移籍。また、現代風俗研究会などいくつかの学会に所属、アマチュア研究者としても活動を続け、講談社現代新書から共著「性の用語集」を刊行。現在、「エルマガジン」に毎月コラムを執筆中。「甲麓庵歌會」と「銀聲」を主宰。美少年をこよなく愛するオープンゲイであり、建築通、クラシック音楽通としても知られている。