ライター慣れしていない制作会社さんへ向けて
当ブログでは、ライターに執筆依頼したいがどうしていいか分からない一般の企業や個人へ向けて、あるいは日常的にライターを起用している制作会社や編集プロダクションの担当者へ向けて、ライターの選定や関わり合い方について発信してきました。しかしタイトルあるような方々へ向けての記事は意識して書いた記憶がありません。
ライター慣れしていない制作会社とは、広告・広報媒体を自社で制作しながら、これまでライターを起用する機会が頻繁にないが、ライター起用案件もたまにあるといったところです。そんなところは、ライターの選定や指示の出し方に課題を抱えていると思いますので、このことについて指針となる内容を記します。
ライター業務を分解して考えてみる
ライターを起用しなければならなくなったとき、何でもかんでもメジャーな媒体実績がある人や有名企業の広告に携わっている人に依頼しようと考えがちです。もちろんそれが功を奏することもありますが、ライターは十人十色で、専門性の高い執筆をしている人ほど対応できる領域が狭かったり、人それぞれに得手不得手もあったりし、これらを考えず、メジャーな媒体や広告の実績がある人だからという理由でライターを選定すると期待とは違う原稿が上がってくることもあります。
期待どおりの原稿を上げてくれるライターを見極めるために、依頼者(=ライター慣れしていない制作会社さん)はどうしたらいいでしょうか?
まずライターの選定基準を明確化することです。ライターはその名のごとく文章を書くプロフェッショナルです。かと言ってライターに求められるのは、正しい日本語の文章ではありません。執筆テーマをコンセプトに合わせて、特定の読者へより良く伝えることです。ライターの業務を大まかに分解すると三つに分けられます。一つ目は事前の情報収集。二つ目は取材(インタビュー、聞き取り)。三つ目は原稿作成(文章作成)。依頼者は、まずライターに求める業務スキルの優先順位を持つ必要があります。
例えば、依頼者がA業界に関する執筆案件をライターに依頼しようとしています。依頼者にはその業界の知識がなく、細かな原稿の指示をライターに出せないとします。こんな場合、A業界に精通しているライター、あるいは情報収集が得意で未知の分野でも短期間で自分の知識にして取材や執筆に臨めるようなタイプのライターが適任であると想像がつくと思います。それとは反対に、依頼者が執筆案件のことを熟知し、細かくライターに指示できるのであれば、原稿作成にスポットを当てライターを選定するのが好ましいです。
初ライターに大規模案件を発注するリスク
選定基準を設けて、実際それに見合ったライターを選定して執筆を依頼したとします。期待どおりの原稿を上げてくれる人もいれば、期待とは違う原稿を上げてくる人もいます。後者の場合、原因は二つ。依頼者の指示が良くなかったか、あるいはライターの選定が良くなかったかです。
依頼する前、ライターと面談して過去に執筆した記事や広告コピーを確認したうえで納得して依頼したにも関わらず、想像したものとはまったく違う原稿が上がってくることもあります。完成した媒体に掲載された記事や広告コピーは、ライターが最初に上げた原稿がそのまま完成形になることは少ないです。何度も修正依頼が入る場合もありますし、ディレクターやクライアントが自ら修正を重ねることもあり、ライターが書いた原形を留めていないものも中にはあることを留意しておきましょう。
正直、完成形の文章か否かを見極めることは難しいです。依頼者が求めている執筆の実績、その媒体を長年受注しているのならライターの筆力によるものです。そのライターの書く記事がいいから長年受注できるのです。単発のものならばその判断ができません。修正を加えられ原形を留めていない可能性もあります。
ですので、初めて起用するライターにいきなり費用の大きな案件を依頼するのはリスクが伴います。ライター起用慣れしていない制作会社さんにとっては尚更です。そうならないために費用の小さな案件、例えば単発のインタビュー記事のようなものを事前に依頼して、ライターのインタビュースキル、筆力、その他業務対応を知っておくことで、大きな費用の執筆案件が発生した際、どのライターを起用すべきか判断がつきます。
その判断をするためだけにライター費用を確保するのは厳しいというところは、普段からパートナーライターを積極的に募集し、面談を行い「何か執筆案件が発生した際にはご相談させてもらいます」と普段からライターと交流する機会を設け、執筆案件を獲得する営業活動をしていただければ、仕事の幅が広がると同時にライターを選定する目が養われると考えます。
【関連ブログ】
実績に囚われないライター選定
https://www.writer.co.jp/jissekitorawarenai/
ニーズを明確化して、ライターを選定する
https://www.writer.co.jp/needsmeikaku/
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