もしもネアンデルタール人がライターなら
私たち人類は、生物学上は「ホモ・サピエンス」(和名では「ヒト」)と分類されます。初めて聞く人には衝撃的ですが、10万年前は私たちホモ・サピエンス以外に複数種類の人類が存在していました。種類の違う人類とは交配しない関係性です。例えば、生物学的に分類される人類Aと人類Bがいるとします。仮にAとBが交尾しても子供はできない、または子どもができたとしても、その子どもには生殖能力がない、そんな関係性です。ABの交雑種は一代限りで子孫を増やすことはできません。
ネアンデルタール人は4~3万年前までいたホモ・サピエンスとは別種の人類で、かつてはホモ・サピエンスの祖先だと考えられていました。人類進化の研究は日進月歩で、これまでの常識が近年どんどんと覆されており、2010年のネアンデルタール人ゲノムプロジェクトの報告書草案では、私たちホモ・サピエンスの中にはネアンデルタール人の遺伝子を持つ人が全人口の20%ほどいることが判明しました。現在ネアンデルタール人はホモ・サピエンスと交雑できる亜種とされています。
亜種といえども両種の特徴は異なっています。ネアンデルタール人はホモ・サピエンスに比べ、がっしりとした体格で脳の大きさも大きかったことが分かっています。一対一で弓矢など飛び道具を使わずに戦ったら私たちホモ・サピエンスはひとたまりもありません。なぜ屈強な肉体と大きな脳を持つネアンデルタール人が絶滅して、ひ弱な私たちホモ・サピエンスが生き残ったのかについてはいろいろな説があります。
ホモ・サピエンスに比べてネアンデルタール人は個体数が少なかった。理由としては、繁殖力が弱かったという生物学的な理由のほか、社会性に乏しかったなど考えられます。確固たる原因は分かっていませんが、社会性に乏しかったといわれる特徴に焦点を当て、タイトルにある「もしもネアンデルタール人がライターなら」どういうことになるかを独断と偏見で述べていきますので、どうか最後までお付き合いください。
外部との交流がないと知識のアップデートができない
ネアンデルタール人が社会性に乏しかった理由として、ホモ・サピエンスが血縁を越えた大きな集団を形成したり、遠方の集団とやり取りしていた形跡があるに対して、ネアンデルタール人は血縁者を中心の小さな集団を形成したにとどまり、他の集団との交流の形跡はほとんど残っていません。外部との交流が盛んだと様々な情報のやり取り、例えば狩猟道具や調理方法など、衣食住に関する情報交換による新たな知識の蓄積がされて生活の質がどんどんと上がっていきます。
反対に外部との交流がないと自分たちの経験と気づき以外に知識はアップデートされず、何世代を経ても生活環境にほとんど進展はありません。ネアンデルタール人は、死者を埋葬していましたが、神や宗教の概念がなかったと考えられています。私たちホモ・サピエンスは神という概念や虚構(フィクション)を共有できたおかげで、「あの山は私たちの守り神だ」と血縁を越えた多くの人々が同じ神を信じ一致団結し、後に国や貨幣制度、そして文明を築き上げ自然をも制御しようとするまでに至りました。
相手への配慮は情報処理能力に勝る
私たちホモ・サピエンスより脳が大きいネアンデルタール人は、想像力や空想力は劣るものの、情報処理能力や記憶力はズバ抜けていたかも知れません。ライターだとしたら取材に備えて大量の情報をほぼ完ぺきに記憶したことでしょう。取材対象者は、自分の情報を事細かく正確に知るネアンデルタール人ライターに対して「よくぞそこまで勉強して来てくれた」と感動するかも知れません。
しかし想像力が乏しいゆえ相手の気持ちを推し量って配慮することできず、表情一つ変えずに一方的に質問をするかも知れません。最初はにこやかに答えていた取材対象者の表情は徐々に曇ってゆき、最後は辟易とした表情で席を立つ、そんなことも十分に考えられます。ネアンデルタール人は情報処理能力が高いので翌日には原稿を完成させています。理路整然として正確な内容に仕上がっていますが、まったく面白味に欠けるまるで議事録のようで、書き手の顔がまったく見えないといった印象です。
仕事の依頼者である編集者やディレクターとのやり取りにおいても、空気を読むということができず、それを強く求める依頼者にとってこんなやりにくいライターはいないと思ます。これらを考えると、ネアンデルタール人にライター職は不向きと言わざるを得ませんが、情報処理能力を生かせる校正や校閲には非常に向いていると思います。
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