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OSK日本歌劇団と私

OSK日本(にっぽん)歌劇団をご存じですか?
OSKは、宝塚歌劇団と同様に女性のみで構成された、今年で劇団創設95周年を迎える老舗歌劇団で、ミュージカルとレビューで観客を楽しませてくれます。いまでこそ宝塚の影に隠れていますが、かつては、「歌の宝塚、踊りのOSK」と称され、宝塚とともに歌劇団の双璧をなしていました。

私が初めてOSKを知ったのは、幼稚園か小学低学年のときくらいに祖父に連れられて訪れた、いまは取り壊された「あやめ池遊園地」での劇場公演ででした。当時、OSKは近畿日本鉄道が所有しており、園内に劇場があっていつも公演をしていました。
女性が男装をするのは、小さな子どもだった私には奇妙に思え、興味の対象にはならず、大人になってからも宝塚と同様にいまいち好きになれませんでした。

時は流れ、2009年に竹内志朗さんという大ベテランの舞台装置家をインタビュー取材する機会に恵まれ、それが縁で竹内さんの手がける舞台セットの公演のみならず、演劇をよく観に行くようになりました。

2014年6月に、竹内さんが舞台セットを手がけるOSKの公演『カルディアの鷹』に母を連れて観に行きました。OSK観劇は、小さな子どものとき以来です。
ちょうどその時、私は人間関係でとても悩んでいて、誰にも相談できない状態が続き眠れない日々を過ごしていました。四六時中悩みが頭から離れず、何をしても気を紛らわすことはできません。そんな折に『カルディアの鷹』を観たのです。

約2時間の公演中、私は悩みのことをすっかり忘れ、『カルディアの鷹』の舞台である中世ヨーロッパを旅していました。観劇後、カタルシスを得た私は、母に悩みを打ち明けました。そんな出来事がありました。
OSKはスゴイ。OSKは最高のエンターテイメントだと魅了され、次に『プリメール王国物語~愛の奇蹟~』を一人で観に行きました。主演で王子役の悠浦(ゆうら)あやとに心を奪われ、それ以来、悠浦さんが主演する舞台はすべて観に行っています。

舞台装置家の竹内さんのこんな言葉が印象的です。
「舞台は、現実の世界を一瞬忘れさせてくれます。江戸時代や中世ヨーロッパなど、現実との隔たりが大きければ大きいほど、エンターテインメントとして楽しめます。リアイティある現代劇の舞台は、現実に近い分、気が重くなって純粋に楽しめません」。

まさにOSKは私にとって最高のエンターテインメントで、悠浦あやとは私にとってスーパーアイドルです。

【関連記事】(上記した舞台装置家、竹内志朗さんのインタビュー記事)
理想の舞台装置を追求し続ける、1933年生まれの舞台装置家
https://www.mebic.com/creators-file/1287.html

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