依頼者にとって理想的なライターとは
クリエイティブディレクター(広報・広告ツール制作を指揮する人)や企業の広報担当者など、外部のライターに依頼することが自身の業務の一つになっている人(=以降「依頼者」)にとって「良きライター」との出会いは特別なもの。なぜならライターの仕事ぶりが依頼者の仕事の評価に直結するからです。そう考えると、依頼者のライター探し・ライター選びはとても重要ですが、その重要性をそれほど意識せず安易に、また誤った認識でライターを採用している人は多いです。
依頼者の多くはライターを探したり選んだりする際、抱えている案件の媒体(広報誌、社内報、採用サイトなど)への執筆経験は豊かか、執筆テーマの知識は深いか、この2つを最重要視する傾向にあります。この2 つがあるに越したことはありませんが、そこにばかり目を向けるとライターの選定を見誤り、思い描いた結果にはなりません。
「好きなように書いてください」と全面的に委ねるスタンスなら上記した2つの基準でライターを選定するのが正解かも知れませんが、そんなケースはレアです。多くは依頼者自身に記事の方向性やイメージがあって、それに基づいた文章を完成させたくプロのライターを起用します。ライターに指示して、依頼者自らが判断しながら文章を完成させる。そう考えるとライターを探し・選ぶ基準というか、優先すべき事項は「案件との相性」と「依頼者との相性」この2つになると弊社ライトスタッフは考えます。
案件との相性とは
上記したように依頼者は媒体の執筆経験と執筆テーマに明かるいかを重視し、その経験と知識ありきでライターを探しがちです。果たしてその経験と知識は必要でしょうか?
ほとんどの仕事が生活雑貨カタログの短いコピー(広告文)作成というライターに、広報誌で社長に中長期的な経営戦略についてインタビュー取材・記事作成を依頼するのは明らかに不適当です。広報誌の取材執筆経験はなくとも、インタビュー取材や企業関連の取材を日常的にこなしているライターなら対応できそうだと思いませんか?
上記した広報誌の会社がA業界だったとします。A業界の知識が無ければ、社長にインタビュー取材ができないかと言われれば、そうでもありません。かなり特殊な業界で、その社長自身がクリエイティブディレクター(=依頼者)に業界に詳しい、またはある程度知識があるライターを手配してほしいとオーダーすることは考えられ、クリエイティブディレクターとしてクライアントのオーダーに応じたい、応じなければという気持ちはよく分かります。しかしその業界の知識あるライターしか対応できないのでしょうか? 資料を読み込み業界のことを学んでインタビューに臨むのでは駄目なのでしょうか?
業界の知識はあるが、プロの執筆者としてその人を見た場合、「イマイチ」だと思うライターをあえて起用しますか? それよりも業界知識が無くとも、未知の分野でも臆することなく資料を読み込みインタビュー取材に臨み、そして原稿作成をそつなくこなす。そんなライターを起用したほうがうまく仕事が運び、クライアントにも喜んでもらえると思いませんか?
依頼者との相性とは
A業界に属するB社の広報誌に掲載する社長インタビュー取材と原稿作成をそつなくこなしてくれそうなライターを見つけたとします。しかしそのライターのレスポンスは悪く、ルーズな印象の人だったらどうでしょうか? 意思疎通がうまく行かなかったらどうでしょうか? そっけない対応をする人だったらどうでしょうか? 横柄な態度を示す人だったらどうでしょうか? 自分にとって一番苦手なタイプの人だったらどうでしょうか?
もちろん程度の問題だとは思いますが、ストレスの多い仕事になると予想できます。「二度と依頼しない」と思いながら仕事をする羽目になるかも知れません。決して珍しいことではないと思います。依頼者はライターにどんな対応をしてほしいのか、どんな対応をしてほしくないのか、依頼者自身がそのことを意識してライターを見極めるのが大事です。初めて依頼する相手だと、実際に仕事をしてからでないと分からないこともあるので、事前に「〇〇な対応をしてほしい」「〇〇はしないでほしい」と話しておくのもいいかも知れません。だからと言って100%厳守されることはないと思いますが、守られなかった際は強気で忠告できるので精神衛生上いいと思います。しかし、端から上下関係を築くのを好まない依頼者もいるでしょう。
右腕的な存在
依頼者とライターは、仕事の発注者と受注者という関係ですが、本来そこに上下関係はありません。依頼者が“発注者風”を吹かした途端、嫌悪感や敵対心を示すライターがいてもおかしくありません。
いちばん良くないのは、ライターの性格や仕事対応を知らずに、一度面談してすぐに依頼することです。経歴書と相手の話だけで実績と実力を推し量り、雰囲気がいい人だからとすぐに正式発注するのはおすすめしません。仕事のやり取りを始めてから、上記したようにルーズだったり、横柄だったりと分かったところで「時すでに遅し」です。
ある程度時間に余裕を持って、メールや電話でやり取りを繰り返して、履歴書では分からないところを知るように努め、「今回の執筆案件をこなせるか」「自分(依頼者)とうまくやってもらえるか」を見極めるようにしてください。最後は、「この人とならいい仕事ができる」という依頼者の勘です。
ライターを探したり選んだりする場合、執筆案件の特徴と自分(依頼者)との相性を無視して、ライターの実績と実力ばかりに意識が行きがちです。しかし取材の段取りや記事イメージを創作するのは依頼者自身。ライターは実際にインタビュー取材をしたり原稿作成をしたりしますが、ライターが自分の意思でしているのではありません。主導権は依頼者にあります(そういうものです)。ライターはある意味、依頼者の右腕的な存在だといえます。そんな意識でライター探し・ライター選びをすると、「ライターに依頼する」という概念がこれまでとはまったく違うことに気づいてもらえると思います。
【関連ブログ】
依頼者とライターの理想的な関係性とは?
https://www.writer.co.jp/risoutekikankei/
失敗しないためのライター選定
https://www.writer.co.jp/shipainaisentei/
☆↓ライターを探している担当者さま
https://www.writer.co.jp/writer-coordination/
☆↓仕事を探しているライターさま
https://www.writer.co.jp/message1/
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